 
 爛れた喧噪と 覆うばかりの暴虐から逃れ
渓谷の深い秋へと辿り着いた
邪宗徒がこの地を見つけ出す 明日への 静かな絶望
だが今は、
生きるために息を吸い
覚悟の証の息を吐く
幾度も眼を灼き 耳を破る 血塗られた爪鈎
これほどに静かに 沈黙する渓谷の美しさを破るもの
乾いた葉を踏む無機質な靴音が サックサックと静寂を削り取ってくる
逃れる物思いのテラスは もうどこにもない
希望の知恵を読み 魂の風を受けても 絶望はひたひたと登ってくる
わずかに残った茶葉を淹れ 冷え切った哀しみの器を温める
そして今 深く、
生きるために息を吸い
静かに 覚悟の証の息を吐く
参考https://aisatnafyroma.p-kin.net/loveandillusion/%E9%9C%A7%E6%B7%B1%E3%81%84%E7%A7%8B、