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    愛と幻想の日々

詩からの恢復

漣さざよう時間(とき)の巡りて
女(ひと)の振り返りし時刻
声なき嗚咽の聴こえる夜を越えながら
幾久しい喜びと哀しみの想絵
幼気(いたいけ)な手が離れがたく掴む男の手が
冷たく離れたあの夜



歩いては立ち止まり
止まっては歩き出す
さあ 行く先がわからない
振り向いても足跡は消え去っていて
それではと
しかし前には道がない
一歩
 二歩
  三歩・・・
ああ 俺はどこから来た
      どこへ行く
螺旋の時間を旅してきた気分
昇っているようにも降りているようにも
グラリと揺れる目を抑えながら
歩いては立ち止まる
後ろも前も分からぬまま
一歩
 二歩
  三歩・・・
ああ どこへ行く
     どこから来て



それでもいいと思った いずれたったひとりで逝くのだから それで充分だと思った 失った若さなど なんの役にもたたない すでに 孤独だけが寄り添う伴侶なのだから



難しい人生などないと考えよう 歩いてきただけの経験しかなく 歩いてしまった現実しかない 何事もそのまま あるがままでしか在りようがない



難しい人生などないと考えよう 歩いてきただけの経験しかなく 歩いてしまった現実しかない 何事もそのまま あるがままでしか在りようがない



これからも 世界を歩くだけのことでしかない 歩幅以上の 進みようはないのだから



その向こうに 静かな歓喜が訪れるときがくる



音になる空気と 音にしない流れるだけの空気 いくつか吹き入れられるくちびる音楽 重ねあわされた音楽 力ではない どこか安らぎに似た哀しみ の 音楽


あえて力を放棄したかのような 優しい空気の流れ



なにもかもが透き通る時間 闇を迎える前 まだ空に蒼が残る 美しきとき



キラキラと眩しく揺れながら 流れていた時間 水面にさざめく日の光に 心おどった日々の輝き 木々の間をさわさわと行き交っていた 時間(とき)の風 久しく浴びることのない 無邪気な瞬間という永遠の時間(とき) 老いてなお 老いてこそ 老いたと言えども どこか覚えのある永遠の中を 生きている瞬間がある



疲労の雨の中 立ち竦んで空を見上げる 顔に打ちつけるものが 雨なのか それとも 瞼から溢れ出てくるものなのか 明日を忘れて 濡らす頬 もういいのか ここで ここで 何かが終るとしても



それでも 背筋をピンと伸ばして 雨の中を行く 折れてしまいそうな 頼りない心の芯を それでも ピンと背中に通してみよう 誰かが 私を見ていてくれる



古き友よ 弱いときこそ 君と遊んだ山河を思い出そう 希望と喜びに満ち溢れていた時代があったと 斃れそうな日々を抱えても 君といつか 来し方振り返ることが出来る日を 愉しみとして希望を持ちたい 人生の雨の日々は どちらにしても もうすぐ終る













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