note連携のためのサイト。
森の小屋の窓は
ひとつの灯を抱いている
湯気のうすい輪郭の奥で
だれかの涙が
そっと 湧き水のように
夜へ 溶けていく
喪われた愛は
いまだ形を持たぬまま
修復されぬ夢だけが
ひかりの底で 静かに呼吸する
想うだけで
世界の雪は やわらかく沈む
*
森の小屋
ホットチョコレート
ぬるい湯気
カップの縁に靠れる夜
涙の
おと
喪われた
愛
修復されない
夢だけが
灯の底で
ゆっくりと 息をしている
ただ
ゆらめく湯気を
想うだけで
いい
*
消え残る灯は
森の呼吸のなかに ひっそりと立っている
涙の霧が
光の記憶の縁を
そっと なぞる
愛の廃域の底では
かつて在ったものたちが
ゆっくりと組み上がっていく
やがて揺らめきは沈み
灯としての答えだけが
静かに滞漂する
蒼夢
Zhūn-kaziel